■平成15年(2003)11月号
山梨県中小企業団体中央会機関誌■平成15年度中小企業組合活性化情報
11月号の紙面から
主な内容
●中央会、高校生の就職支援
●「消費税総額表示方式」がスタートします
●コラム「息吹(いぶき)」
●景況情報
●金融アラカルト(山梨県信用保証協会)
●Q&A「斡旋方式による共同受注事業について」
●県内トピックス 活動あれこれ
●特集「なぜ今、創業・起業なのか」
●最低賃金とは
●レディース中央会フォーラム2003案内
●活力ある職場づくり推進運動山梨県大会案内
●ぐんないだより
●研修日誌
●ジョブサポートだより
●甲府ウイーク開催 |
11月号詳細記事
■中央会、高校生の就職支援
高校新卒予定者を対象とした「人材確保情報交換会」開催
学校に業界情報提供へ
高卒予定者の就職が苦戦している。企業の新規求人数は平成13年度の半数以下で、業種にもかたよりが出ている。このような状況の中、山梨県中小企業団体中央会では10月15日には中央会研修室、16日には郡内支所で、県下の職業高校と総合学科高校11校の進路指導担当の教諭と「人材確保情報交換会」を開催した。
この事業は、中央会の持っているネットワークを活用し、業界や企業の情報を高等学校に提供することで、高等学校がそれぞれ求人企業の開拓をしていく際の手助けをするために企画した。この取り組みにより、一人でも多くの高校生が卒業までに希望する職種に就けるように支援していく。また、これまで新規学卒者を採用したことのない中小企業が多い中で、やる気のある若者を確保できるきっかけづくりにもなってもらうことも目的としている。
会議では新海事務局長の中央会の活動概要の説明と知見寺労働課長から「情報交換会」の趣旨説明があった後、参加した中央会指導員から担当組合の業種、業界の動向などが発表された。
各高等学校からの求人状況や求職活動の報告としては、「学校としても企業訪問を精力的に実施し求人数を増やす努力はしているが、求人数は昨年より減り、インターネットを通じて全県を対象に一斉に募集する企業が増えている」「就職内定率は各高校によって差はあるものの、10月10日現在で45〜60%と例年に比べて厳しい状況になっている」などの情報が寄せられた。
意見交換では、「生徒の希望する職種の求人が少ない」「職業意識の高い生徒は内定をもらっているが、すでに就職をあきらめている生徒もいる」「求人数の地域差が大きい」「女子の就職が厳しい」「進路希望が本人と親と違う場合があり、指導に苦慮している」「最初の採用試験で落ち自信喪失して次の試験が受けられない」等の意見が出た。また、多くの参加者から子供のうちからの職業観育成の重要性が指摘され、インターンシップを含めた体験型職業教育の充実が急務であることが共通の認識となった。
法律上中央会は就職の斡旋はできないため、今後は具体的に就職したい業種や地域が決まった生徒の要望に応じて業界等の情報提供を行い、組合窓口の紹介、企業側へのアプローチ方法などを高校側にアドバイスしていく。
若者が地元に根付いた堅実な中小企業に就職し定着することは、本人のみならず家族や地域社会にとっても重要であり、山梨県全体の社会的・経済的活力維持にも必要不可欠である。
新規学卒者の求職活動は県内でもある程度知名度のある企業に片よりがちである。しかし、県内の中小企業の中にも優れた経営理念を持って人材育成に力を注いでいる企業や独自の技術を持ち成長している企業も数多くある。中央会では、そういった中小企業の独自性やバイタリティを、高校教諭だけでなく生徒や保護者にもアピールしたいと考えている。
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