今年の夏は地球全体に異変があった。欧州各国は記録的な猛暑。インドや台湾も激しい熱波に襲われ、中国には洪水と干ばつのダブルパンチに見舞われた。日本も、低温や日照不足のおかしな夏だった。稲の不作が心配される。
観葉植物は、熱帯・亜熱帯原産で、美しい葉を鑑賞の対象とするが、つぼみや花の美しい種類もある。栽培のポイントは光の強さと冬季の温度管理の2つである。
生育に適した光の強さと栽培温度の違いによるグループわけ
光の強さ
冬季温度 |
陽光を好む
(直射日光下) |
半日陰
(夏季しゃ光) |
日陰
(年中しゃ光) |
高 温
(15℃以上) |
アカリファ
アレカヤシ
クロトン |
アンスリウム
カラデア
マランタ |
ペペロミア
フィットニア
ディフェンバキア |
中 温
(10℃以上) |
ゴムノキ
サンセベリア
ポトス |
アナナス
コルジリーネ
ドラセナ
ベゴニア類 |
アジアンタム
フィロデンドロン
モンステラ |
低 温
(5℃以上) |
サラセニア
シェフェレア
(カポック)
フェニックス |
アスパラガス
オリヅルラン
タニワタリ |
クンシラン |
<管理>
冬季は乾かし気味に管理し、用土が乾いたら午前中に20℃くらいの水をかける。空気が乾燥する場合は、葉に霧をかける。春になって気温の上昇とともに吸水量が多くなるので、夏は用土の状態を見て朝と午後の2回水をかける。
新芽が成長しているものは液体肥料を1ヶ月に2回与える。大きく伸びすぎたり、徒長して草姿が乱れたらせん定をして形を整え、茎が曲がっているときは、支柱を立てる。
植えかえは、初夏に古い用土を落とし、ひとまわり大きい鉢に植えかえる。
9月中旬になると急に寒さが訪れる。戸外に出していた観葉植物は寒さに弱い種類から、順次室内に取り込む。
さて、9月の管理・作業は「台風シーズン。風対策は万全に」です。台風接近や上陸の情報があったら、戸外に置いた鉢やつり鉢は室内に取り込み、大鉢ですぐに移動できないものは鉢を倒す。台風の後は殺菌剤を散布し病気を防ぐ。
植物には、短日植物といって日照時間が短くなると花芽をつけるものがある。キク、ポインセチア、カランコエ、シャコバサボテンなど。これらの植物を夜遅くまで電灯のついている部屋に置くと花をつけない。花を見るためには、夕方6時ぐらいから翌朝9時くらいまで、段ボール箱で覆い、強制的に暗くする。(短日処理)1ヶ月ほど毎日続けると花芽ができる。短日処理は普通より早く花を見たい場合にも応用できる技術である。花屋さんに出回る冬の鉢花の多くは、この処理が施されている。(荒井良平)
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