■平成14年(2002)9月号

山梨県中小企業団体中央会機関誌■平成14年度中小企業組合活性化情報

９月号の紙面から

主な内容 　●県内企業経営事情実態調査を実施 　●平成１４年度官公需確保対策地方推進協議会開催ほか 　●コラム「のろし」 　●景況情報 　●金融アラカルト(山梨県信用保証協会、商工組合中央金庫甲府支店) 　●Ｑ＆Ａ　「共同受注と一括下請の禁止について」 　●県内トピックス　活動あれこれ 　●全国組合活動紹介 　●新加入組合紹介　「中巨摩広域環境協同組合」 　●専門家講座　「経営戦略の策定について」中小企業診断士　藤田泰一氏 　●MEET　THE　理事長「山梨県遊技業協同組合　代表理事　越水宏一郎氏」 　●支所日誌　「郡内機械金属組合連絡協議会通常総会を開催」 　●補助事業成果紹介　「大月商店街協同組合 　●組合ホームページ紹介　「協同組合山梨県ジュエリー協会」 　●若者の声

９月号詳細記事

■若者の声　「迷っている男子？夢を描いている女子！」

　高校生の就職が厳しい中、高校生が希望している職業をまとめてみた。４月に総合学科高校の１年生から３年生までを対象に調査したので、自分の夢や憧れが率直に反映された結果となっている。男子では最も多いのが未定であったが、女子は美容師が圧倒的に多かった。女子に比べて男子のほうが迷っていて、将来について悩んでいる様子がうかがえた。また、どうにかなるさという、楽天的な者もいた。就職できなければ、嫌な仕事を無理してやるよりも、フリーターで良いと考えている者も確かにいる。全国的にも今春の高卒者の約１割が進学も就職もしていないのが現状である。失業率が高い現在、中途採用についても改善が必要であるが、新卒高校生の採用についても社会問題となっている。
　男子についてみてみると一番人気なのが工業関係の仕事で、車・機械・ロボット・電気通信などの関連である。車やバイクに興味を持つのは男子の特性だし、機械いじり、分解・組立も男子に適性がある。続いて人気が高いのがコンピュータ関係でシステムエンジニア・プログラマー・ゲームクリエイターなどカタカナの職業である。ＩＴ革命、ＩＴ戦略など、新聞紙面にＩＴの文字を見ない日はないくらいである。高校生の殆どが携帯電話を持ち、メール交換をしている。コンピューター、インターネットの普及によりｅビジネス、電子商取引など、世界が変わっていくのも当然なのかもしれない。
　それから、流行に敏感な若者の希望がマスコミ関係、テレビ・ラジオ・音楽・映画製作で、報道関係の希望もあるが作品の製作に関わってみたいという気持ちが強いようである。また、男子の美容師の希望はここ数年、コンスタントにある。飲食業は身近でわかりやすい選択である。また、憧れの芸能界入りを目指している者も少しいる。とにかく男子はまだまだ自分の将来に対しての確固たるものを見つけていないようである。
　女子については飛び抜けて多いのが美容師、エステティシャン、メイク・ネイルのアーティストであった。次に保育士（保母さん）で、昔から女子に人気の職業である。福祉や介護、看護士等の医療関係の希望は、現実に社会的な要請があり、人間との関わりの中で使命感を持ってできる職業の一つである。男子と同様に多かったのがマスコミ関係、音楽、映画などの業界である。自分の才能を生かして活躍するタレント、歌手、ダンサーそして漫画家などのも多かった。女子は自分の趣味・特技を生かして発展させて、その延長で仕事をしたいと考えている者が多かった。
　男女共に、自分のやりがい・生きがいを仕事に求める傾向が強くなってきている。自分の好きなことは徹底的に頑張るが、逆に、興味が無いことには全く気にしない傾向がある。　現在、高校生の就職の厳しさからすると、なんとなく矛盾しているような夢や希望が多かったが、若者はいつの時代でも夢を見る特権がある。夢を描けなくなったときはもう終わりなのかもしれない。現実と理想の中で若者の葛藤は今日も続いている。（県教委派遣研修生　奥山誠一）


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