■平成14年(2002)7月号
山梨県中小企業団体中央会機関誌■平成14年度中小企業組合活性化情報
7月号の紙面から
7月号詳細記事
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外形標準課税の導入絶対反対を決議 14年度中央会委員会を集中開催
第54回中小企業団体全国大会への山梨県中央会の提出議案を決定するため、本会内に設置されている8委員会(総合政策、税制、金融、労働、商業、工業、組織、環境)が6月17日(月)から24日(月)にかけて集中的に開催された。
中小企業を巡る環境は非常に厳しく、政府の発表する景気の底離れは実感としてまったく感じられないという各委員の共通認識のもと、活発な意見交換がなされた。
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のろし
景気低迷が続く我が国経済の状況を見るにつけ、さながら日本の梅雨空と同じように「今一つスッキリとしない鬱陶しさ」とオーバーラップし、早く夏空のように少々暑くてもスッキリした気分になりたいものであると感じる。
しかし、今年の梅雨の時期は何時もと大きく違い、「日本列島が熱く燃え一つになれた。」大きな世界的一大イベントであるサッカ−の「ワ−ルドカップ」が、韓国と共催で開催されたからであり、更に日本チ−ムの活躍があったからである。
今回のワ−ルドカップの経済効果について、マスコミによると世界各国からの来場者による効果・テレビ等家電売上効果などにより、おおよそ4,000億円を超える経済効果があったとの報道があり、景気回復への淡い期待を持った。
ここで今回のワ−ルドカップにおける日本チ−ムの活躍ぶり「なぜここまで強くなれたのか」について私なりに考えてみた。4年前、フランスで開催されたワ−ルドカップに初出場した日本は、予選リ−グで3戦3敗し「世界の壁」の厚さを思い知らされた。他のチ−ムとどこが違うのか、日本サッカ−連盟は再構築に立ち上がったのである。
まず、問題点の抽出を行い総括を行った結果○指揮官を替え○4年後のチ−ムビジョンを策定した(勝てるチ−ム)○アクションプランの策定を行った後(メンバ−構成・心身の強化・技術力の強化・戦術の研究等)○対外試合の実施(マ−ケティング・情報の収集)○改善(修正)を繰り返した。
この結果今回の好成績に結びついたのではないかと考えた。何かこのプロセスを見ると企業経営と変わらないのではないかと思う。政府においての景気の底入れ宣言(5月の閣議報告)はあったものの、依然として中小企業にとっては厳しい経済状況の下で、先行き不透明で閉塞感の中、暗中模索が続いている。
しかし、今回の日本のサッカ−チ−ムの「再生」を見るとき企業の経営改革が叫ばれている現在、大きなヒントになるのではないかと感じた。この要素が全てではなく「やる意欲と自助努力」が前提となることは言うまでもないが、「やれば出来るのだと言う自信」を与えてくれた、今回のワ−ルドカップの日本チ−ムに、大いに感謝したい。
しかし、中心メンバ−である本県出身の中田英寿選手は、今大会を振り返ったインタビュ−の中で「何かが足りなかった」と語っていたことに対し、更に飛躍して行くものを感じた。又、中小企業にとっても今回の日本チ−ムの活躍を一つの教訓に一層頑張ってほしい。(事務局長 新海)
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MEET THE 理事長「確かな技術力で顧客の信頼を」
山梨県クリーニング生活衛生同業組合 理事長 古郡 心力
今年度より就任した古郡理事長に、近年の厳しい社会情勢や大手クリーニング店等の参入について、組合としてどのように考えているかについて伺った。
◆
今年度より新理事長として就任した事について意気込み等はありますか?
まず、長期にわたって組合の運営に携わった岩下前理事長の功績に敬意を表します。
その上で、今まで以上の組合に出来ればと考えています。
◆
クリーニング業界、組合の現状はいかがでしょうか?
当業界も他業種に違わず、年々組合員が減少するなど、苦しい現況になっております。
その原因としては、第一に老齢化に伴う後継者不足、不況による廃業、次に大手クリーニング業者及び兼売店への対応のため組織を離れて独自の経営をはじめる業者出てきた事などが考えられます。
しかし、その反面ここ数年、20・30代の若手の後継者が徐々に増え、組合員として経営に参画してきています。
今後若手の育成に重点をおくことが、業界発展のためには重要になると考えています。
◆
近年の大手業者参入については、組合全体としてどのように考えていますか?
基本的に、大手業者を意識するような事はありません。
大手業者とは、客層や、サービス内容についても違いがありますので、我々なりの方法で、現在の顧客の信頼を得られるような技術力やサービスを高めることが重要と考えています。
◆
消費者に対してどのようなPR事業を行っていますか?
新素材の紹介や、クリーニング事故賠償基準等の情報が記載されているパンフレットを作成配布しています。
また、クリーニングギフト券の販売促進も行っていますので、是非ご利用ください。
◆今後の組合活動についてどのように考えていますか?
日本全体はITを積極的に取り入れてるようになっており、本業界としても、いかにITを有効活用するかが重要であると考えています。
そのためには時代を担う若手業者が中心になって、IT及び情報社会に対応するための講習会を行うことを呼びかけたいと考えています。
■新加入組合紹介 「山梨県食肉事業協同組合連合会」
お客様に安心してお肉をお買い上げいただいております。
◆肉のパワー
豚肉はビタミンが多く健康の源、牛肉は日本人が食べてから平均寿命が伸び、鶏肉はあっさり低カロリー、子供の成長には欠かせないヒスチジンが豊富に含まれている。健康を考えるならば「肉・肉・肉」
◆組合の事業
山梨県食肉事業協同組合連合会の会員が一生懸命肉の良さをアピールし、消費の拡大に努めています。組合事業としても肉を素材とした惣菜、料理の研究をし、お客様へのサービスとして肉の調理方法を教えています。又、県中央会等のイベントにも積極的に参加し肉の良さをアピールしています。
◆最近の話題
全国的に騒がれている狂牛病については、会長は終息したと。県内牛は検査済であり、今が一番安心ですよと。
◆お客様への対応
地域密着型商売としてお客様に応えるよう努力をしています。肉の良さを、調理の仕方を、また、核家族世帯にもあった「何グラムでもいいですよ。言って下さい」との声かけを。
◆今業界は、大型店の攻勢に
「おっちゃん、コロッケ2個」と言った時代のいわゆる街の肉屋さんが消えつつある。
連合会においても会員数は減っている状況である。なぜだろうか?後継者の問題だろうか。肉屋さんに魅力が無いからだろうか。
しかしながら工夫してやっている所もあるようである。例えば肉屋と飲食、肉屋と焼き鳥、肉屋と総菜の組み合わの店、まさに地域に密着した店舗造りを目指して頑張っているところもある。
今年から近所のお父さんに昼も夜もスタミナをつけてガンバッテもらうように「あーステーキー食いてーつ」を標語に肉をパワーの源にして欲しいと訴えて行きたいと考えている。
◆組合概要
所在地 山梨県甲府市高畑一丁目4番5号
TEL 055(226)2155
FAX 055(226)2155
会員数 3組合
設 立 昭和43年4月19日
主な事業 共同購買、共同宣伝、教育研修、情報提供、各種イベントへの参加
■若者の声 アルバイトをしてみたい!!
現在、県内の高校ではアルバイトを原則禁止にしている学校が多い。家庭の事情や、夏休みなどの長期休業に一定の基準を設けて許可をしている場合が殆どである。
そんな状況の中、県内のある総合学科高校の生徒765人にアンケートを実施した。(グラフ1 県内の全日制総合学科高校生
平成14年4月実施)
その結果、全体として約90%の生徒がアルバイトをしてみたいと答えた。女子の方がやや積極的ではあるが学年による差は少なかった。
アルバイトをしてみたい理由については大きく4つに整理することが出来た。
㈰お金を稼ぐため。家庭の経済的な問題、もしくは自分の自由になるお金が欲しいから。
㈪社会勉強をしたいため。世間に出る前に経験として大人の気分を味わいたいから。
㈫自分の適性を探るため。自分はどんな職業(仕事)に向いているのか、実際に働いてみたり、人の働いている様子を観察したり、人の意見を聞いたりして、将来の進路選択の参考にするため。
㈬年代の違う人と交流したいため。自分より少し上のお兄さんやお姉さんと仲良くなったり、異性の友人を作りたいから。
以上の理由は高校生としての本音であり、素直な欲求であると思う。
高校生は少しでも大人に近づきたいと思い、社会や世間との接点を探している。またその反面ずっとこのまま、幼稚な子供のままでいたい、との思いもあり、揺れ動く不安定な時期でもある。そして現実には、時間は流れ、確実に大人に成らざるを得ない。
いずれにしても、高校生はアルバイトを体験したいと考えている。しかし高校生のアルバイトについては問題点もある。
先ず、本人の家庭や学校での状況、アルバイトの種類、時間帯など・・・。早朝の新聞配達を否定する人はいないが、深夜の酔っぱらい相手の客商売となると否定的な意見が多い。また、ファーストフード、コンビニ、ファミレスなど高校生の労働力をあてにしている事業所もある。もし、このまま少子・高齢化が加速していくと、店員のみなさんが、高齢者になる可能性も否定できない。実際にアルバイトをしている高校生に感想を聞いてみると仕事と割り切っている生徒と明るく楽しんでやっている生徒がいる。「仕事内容は同じなのにフリーターや大学生より時給が低い」と不満を口にするケースもあった。
学生の本分は学業である。これは正論に違いない。しかし、家庭内でのお手伝いの機会が殆どなくなっている現在アルバイトについても様々な角度から考えることが必要であろう。実際に体験してこそ、初めて発見したり、学ぶことが多いはずである。アルバイトは、社会を体験することにより自立(自律)を促したり、進路選択の参考にきっとなると思う。(県教委派遣研修生 奥山誠一)
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